チャリティコンサート

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慈善活動(チャリティ)が日常に浸透しているイギリス。石を投げると何らかのチャリティ団体にあたるのでは、と思うほど数多くのチャリティ団体が存在する。

とくに、12月になると、クリスマスが近いこともあり、色々なチャリティイベントが街のあちこちで開催される。その中で最もポピュラーなのが、チャリティコンサート。

私の所属するオーケストラにもお呼びがかかった。Icarus Trustという依存症を抱える家族を支援する団体が主催するコンサートだ。(詳しくはこちらThe Icarus Trust supporting families affected by addiction

 

引っ越したばかりで、楽器にも三週間以上触れていない。でも、クリスマスキャロルは割とシンプルなものが多いし、いままでも初見で臨んだことがあったので、なんとかなるだろう、とタカをくくったのが間違いだった。

 

まず、コンサート会場となった、St. John's Hyde Park、とても素敵な教会。私が到着した時は(オケの集合時間に五分遅れた。完全に舐めていた。)由緒正しい、それこそ称号がついていそうな紳士淑女が既に百人以上集っていて、社交サロン状態になっていた。まずい、、、私が考えていたチャリティコンサートとは違う。

 

オケの控え室に通されて、早速馴染みの顔を見つけた。フルート奏者である彼女に「なんかすごくない?」と聞いたら、「うん、なんか、いつもよりすごい」と。良かった、イギリス人でもそう思うのね。

開演十分前にプログラムを渡され、私の読みは完全に間違っていたことに気づく。まず、七曲もやるなんて聞いてなかった。しかも、コーラスのメンバーはロイヤルアカデミーの声楽専攻の学生と来たもんだ。

 

もちろん、コンサートのレベルはとても高く、私はヒヤヒヤしながらとにかく間違えないことに集中した。

 

あとで知ったのだが、このコンサートのチケットは£30だったそうだ。日本円にして約4500円。チャリティコンサートにしては強気だ。コンサートに対する期待が高いのも無理はない。

 

昨日の自分の舐めた態度については心から反省した。ごめんなさい。

そしてイギリス人のチャリティに対する本気度から学ぶべきものは沢山あると思った。

 

それにしても、£30入場料として徴収しておいて、さらに募金を集めていたのには驚いた。最後のキャロルを演奏している間に募金箱が回っていた。客席近くに座っていた私は、あるご婦人が£50冊を何枚も箱に入れたのを見逃さなかった。