イギリスで働く 解雇されるまでの六十日間 カウントダウン始まり。その弐。

まだ生き残っている。

当たり前だ。娘のハーフターム(秋休み)に合わせて二週間の休みを取っていたのだから。物理的にオフィスにいなかったので解雇しようにも解雇できない。(解雇通知は対面で行うことが原則だから。)

 

ただ、少し気になることがあった。私が休暇から戻るのに合わせて、上司からミーティングが設定されていた。そしてそのミーティングの議題は「1on1 Catch-Up」怪しい。。。月曜日にオフィスに戻る。どうなることやら。

 

話が逸れるが、私の上司は結構な曲者である。イギリス人女性である。彼女の下で働いているというと、大抵の人は「それはご愁傷様」とても言いたげな顔で私を見る。はっきりと「よく彼女と一緒に働けるね。」と言う同僚もいるぐらいだ。というぐらい、彼女の曲者ぶりは知れ渡っているのだが、どれくらい曲者かというと、まず私が彼女と仕事をするようになってからの二年間で既に六人が会社を去った。そして退職の際のエグジットインタビューで躊躇することなく、彼女が原因で退社すると人事に告げている。

 

彼女の問題を一言で表すと、「いじめ」なのだ。無視する。仕事に必要な情報を渡さず部下に失敗させてそれを罵る。社内及びクライアントの要職にある人物とのコミュニケーションを独占しチームメンバーと共有しない。クライアントの前で公然と部下の批判をする、、、と、キリがないのだが、彼女が職場を去ることはない。

 

なぜか。理由は一つではないだろうが、一つ言えることは、彼女はとにかく、社外、社内を問わず要職にある人物との関係構築がうまいのだ。彼女以外の人間がコミュニケーションをとることを許さない、つまり彼女が自在に情報を操ることができるのだから、当たり前だ。ただ、その歪んだコミュニケーション経路について誰も異論を唱えず、また彼女の上司がそれを正そうともしない、これはミステリーとしか言いようがない。

 

漠然と考えているのだが、いつか誰かがちゃんとこの問題に立ち向かわなくてはならない。もしかすると、自分がするべきなのではないか。職場での自分の立場的に考えて、自分が言えば耳を傾けてくれる人はいる。もうこれ以上、悔しい思いをして、または諦めの気持ちで職場を去る人を見たくない。どうせ解雇されるなら、思い切って告発しても良いのではないかと。