イギリスのボーデイングスクール 学費

イギリスのボーデイングスクールの学費は高い。ただ、ボーデイングでなくても私立校の学費がそもそも高いので、通いの私立校に三食がついて、プラス学校の敷地内に快適な住環境が確保されることを考えると、仕方がないかもしれない。

 

娘はイギリス式の四年生でボーデイングスクールに入学した。大学に入学するまでボーデイングスクールに在籍するとなると、十年間をボーデイングスクールで過ごすことになる。

 

現在の学校を受験した頃は、無駄遣いをやめればなんとか何とかなるだろう、と気楽に考えていたが、入学時期が近づくにつれ、色々現実的になってきた。これから十年間、本当に学費を払い続けることができるのか、とか、もし、仕事がなくなったらどうする(イギリスでは十分ありえることなのだ)、とか、病気になったらどうする、とか。でも結局、案ずるより産むが易し、というか、心配しても仕方がないという結論に至った。

 

実際に娘が入学してからは、事前に覚悟していたよりもずっと多くの費用がかかることを痛感している。毎月の給料から学費を天引きしているのだが、手元に残る金額は寂しい。

 

そして、父母会や学校のイベントに参加するたびに、「学費ごときで悩んだことはありません」というオーラを纏っている親御さんに遭遇する。そして彼らが、南仏の別荘(城レベル)で夏を過ごす話などを聞くたびに、「うわー」と思う。

 

正直、「我々のようなサラリーマン家庭にボーデイングスクールは背伸びしすぎなんじゃないか」と思ったことも何度かある。ただ、落ち着いて周りを見渡すと、我々のようなサラリーマン家庭も半分ぐらい存在する。そして彼らは、我々と同じように、毎日の生活費を切り詰めたり、いつまでこの学費を払い続けることができるのだろう、という不安を抱えながら生きているのであった。

 

そして、我々のような家庭のことを考慮してくれているのかいないのか、イギリスの私立校には、数々の「救済措置」がある。もっともポピュラーなのは奨学金制度で、これは全額免除になる「アカデミックスカラシップ」から、年間の学費の10%から25%が免除になる科目別の奨学金制度(スポーツ、科学、音楽、美術など)がある。奨学金を受けるためには、当然のことながら奨学金審査にパスしなくてはならない。

 

また、優秀な学生に向けて、万一なんらかの理由で学費の支払いが難しくなった時のために、期間限定で学費が免除になったり割引になったりする制度もある。

 

我らの娘は、アカデミックに成功を収めるタイプではないんで、アートか音楽でスカラシップを取ってくれないかな、、と密かに願っている。