イギリスで働く 解雇されるまでの六十日間。カウントダウン始まり。その四。

解雇されるまでの六十日間のカウントダウンを始めたのが昨年の十月末。

 

六十日経ってしまったが、まだ解雇はされていない。でも、カウントダウンは続いている。人員整理の第二波がやってくるという噂が絶えないからだ。そして、自分が第二波に乗るであろうと確信している。人員整理をする企業側としては、その正当性を示すために、「対象となるポストが無くなった」ことを証明しなくてはならない。つまり、厳密に言えば、人員整理を行なった後に、新しく代わりの人を雇うなんていうのはNGだし、ポストが消滅したことが誰の目にも明らかにならなくてはならない。

 

そういう意味で言えば、私の仕事量は確実に減っているので、確実に人員整理の対象者としての道を歩んでいる。

 

で、備えあれば憂いなしということで、カウントダウンを始めたと同時に、つまりちょうど「その壱」を書いた頃に就職活動を始めた。

 

外国人、しかもEU圏外の国籍を持つ人間にとって、イギリスでの転職活動は簡単ではない。現在、イギリスで就労している日本人のほとんどは、Inter-Company、つまり同一企業内での異動(いわゆる駐在員もこれに当たる)でイギリスに転勤してきた人、イギリス人またはEU国籍保有者と結婚していてイギリスで就労する権利を有する人、または、イギリスの大学及び大学院を卒業し、そのまま就労ビザを取得した人に分類できるのではないか。私の就労ビザは一つ目、つまりInter-Companyだ。転勤の際に、夫と子供がイギリス国籍を有するので、家族ビザを取得することも検討したが、会社側からInter-Companyの方が簡単だし早いから、と言われたので、言われるがままにした。実際に申請からビザが自宅に届くまで三日しかかからなかった。

 

このビザだと企業内異動が原則なので、基本的に転職はできないことになっている。転職活動を始めると同時に、家族ビザに切り替えなくては、、と思いつつまだ切り替えていない。(弁護士を通すとこれまたすぐに取得できるが、結構な額を取られる。自分で地道にやれば良いだけなのだが、面倒臭い。)

 

ビザ、切り替えないと、、と思いつつ転職活動をしていたら、この度、新しい仕事が見つかってしまった。前から興味のあった企業ではあったので嬉しいが、ビザの件も含めて手続きが結構複雑そうだ。

 

そして、何よりも、人員整理の対象になることを心配していたはずなのに、今となっては、さっさと整理してほしいと思うようになってしまった。新しい仕事が決まり、それで、「パッケージ」がもらえるなんて嬉しすぎる。人員整理の発表は月末にされることが多いので、もしかして今週金曜日あたり?と思っているが、そんなにウマくいくかどうか。。。