伝説のセレクトショップ、コレット・パリ。

半分仕事、半分休暇でパリに行ってきた。早々に仕事を片付けて、残りの二日は、サンローラン美術館、ディオール展覧会をチェックし、コメディフランセーズで観劇し、学生の頃から通っているレストランで食事をし、そしてコレット・パリに行くという五点盛り。なんとか全て詰め込み、ギリギリ、ロンドンに帰るユーロスターに間に合った。

 

コレット・パリが閉店するという。ただのセレクトショップでなく、ある意味、文化の発信地でもあった伝説の店。オープンしたのは1997年、私がパリで学生をしていた頃だ。店内にいるだけで、感度が高くなったような錯覚を起こさせてくれた。(高くて何も買えなかったけれど。)

 

パリで仕事をするようになって10歳のコレットに戻った。そこで、クレジットカードの請求書を心配しながら、コレットとコムデギャルソンのコラボレーションのTシャツを買った。Tシャツのくせに日本円で5万円近くした。大切に大切に着ていたのに、5年前に出張でホテルに宿泊した時にランドリーサービスに出したら、変色して、キラキラも剥げてしまっていた。泣く泣くお釈迦にしてしまった。

 

そしてさらに10年後、コレットが20歳になって2017年。閉店前に見納め。

ものすごい人混み。しかも寒くてみんな着ぶくれているので、動きづらい。そしてなんだか埃っぽい。品揃えは相変わらず面白いけれど、以前のような心地よいショックはなかった。とにかく二階に上がる階段にたどり着くまでに、人混みをかき分けて。。。年のせいもあるのだろうが、元々人混みを見た瞬間、全てのやる気が失せる、さらに、マナーの良くない人を見ると、心がトゲトゲする。二階に上がってみたものの、しかも、シャネルとのコラボが興味深かったものの、五分もしないうちに降りてきてしまった。

 

コレットに敬意を表して、告白すると、「もうこれは素敵すぎる!さすがコレット!」と唸ったシャツがあって、多分五年前の私だったら迷わず買っていただろうが、買わなかった。ボーディングスクールのバカ高い学費、住宅ローンのことを考えると、とてもじゃないが買えない。

 

結論から言って、期待していたほど楽しめなかった。その原因はなんだろう。

まず、(例のシャツ以外は)「こんなの見たことない、すごい!」と思うアイテムに出会わなかったこと。どこかで見たことがあったことがあるモノが多かった気がする。そして、とにかく人がすごくて、ゆっくり店内を見て回るなんて気持ちにならなかったこと。「コレットはもはやパリの観光地なのだ」と思った。そして、人の多さにも関連しているが、たくさんの商品が可哀想な状況になっていたこと。店内に並ぶ商品は、もちろんお客さんが自由に手にとって見ることを想定している。でも、私は、そこにお店に対して、スタッフに対して、そして商品に対してのリスペクトがあるべきだと思っている。間違っても、チョコレートがついた指で白いTシャツを触るべきではない!

 

そして、最後に認めたくないが、もうひとつの理由。私が年をとったのだろう。思ったより楽しめなかったのも、私の感度が鈍りまくっているからかもしれない。気をつけないと。