イギリスで働く 解雇されるまでの六十日間 カウントダウン始まり。

 

イギリスでは日本では考えられないほど簡単に解雇される。解雇と言っても所謂「クビ」とは少し異なる。Redundancyと言って、余剰人員の整理のために行われる。「リストラ」の方が近いかな。私の業界で一般的なのは、所謂仕事そのものが無くなって、社内に空きのポストがない時に起こる。クライアントによって収入が大きく左右されるので仕方がない。

 

会社に迷惑をかけるようなことをしたり、著しく業績が悪かったりしてクビになるのとは少し趣が異なる。

 

今週は、私の元上司、私がとても親しくしている同僚(二人ともイギリス人)、私の元部下(ハンガリー人)がRedundancyの対象になり会社を去って言った。他にもいるらしいが、直接的な関わりがないので誰なのかよくわからない。

 

(ちなみに英語では、I was/got made redundantまたはThey’ve made me redundantと言います。人員整理の対象になっちゃったよ、ということです。)

 

本人にとってはもちろんショックだが、勤続年数に応じたパッケージが出たり、そのパッケージには課税されない(上限あり)という利点があったりするので、「この世の終わり」みたいな感じではない。人によるが、弁護士を雇って少しでも有利なパッケージを、と交渉したり、数週間前から察して早めに就職活動をして、Redundancyを宣告されてパッケージをもらうと同時にちゃっかり新しい仕事を、というケースもある。

 

私の元上司によると、宣告の数週間前からなんとなく察していたという。そしてある日突然、彼の上司から、特に議題のはっきりしないミーティングが設定された。それで、確信したという。彼の読みは正しかった。なんとなく察して、実際に宣告され、そのあとパッケージの交渉をして会社を去るまでは六週間。

 

昨日はその元上司と食事をした。元気付けようと思って食事に誘ったら、一緒に働いていた頃よりもずっと元気そうで、幸せそうだった。もちろん就職活動中。手応えはありそうだ。随分長々と話していたが、そこで確信したことがある。次は私だな、と。

 

数週間前に、上海に異動する話が出た。家族のこともあるし、即答。もちろん断った。そのあとに、会社側が譲歩して、異動でなくて良いので、出張ベースで三ヶ月上海に滞在してほしい、と言われた。いくら子供がボーディングスクールに通っているとはいえ、ほぼ毎週末戻ってくるし、子供が帰ってくる時はロンドンにいたい。しかもクリスマス休暇で十二月になるとすぐに長い休みに入る。さすがに三ヶ月は無謀だと思ってそれも断った。その後からだ、急に上司の私に対する態度が冷たくなってきたのは。そこから、少しずつ、今まで一人で回していたプロジェクトに別の人が関わるようになってきたりしている。

間違いない!元上司に話したら、そういう勘は当たるものだ、と。

ということで、年末年始の休みに入るまでの残り六週間で何かが起こるのではないかと踏んでいる。

 

ということで、ボーディングスクールネタ、ロンドンネタと並行して、解雇されるまでのカウントダウンと称し、少しずつレポートしていきたいと思います。